サルタックの教育ブログ

特定非営利活動法人サルタック公式ブログ。教育分野の第一線で活躍するサルタックの理事陣らが最先端の教育研究と最新の教育課題をご紹介。(noteへブログを移行しました。新しい記事はnoteにアップされます→https://note.mu/sarthakshiksha)

ネパールにおける幼児教育の状況―ヘックマンの議論のネパールにおける妥当性について

1. はじめに 2. ネパールにおける子育て環境 ネパールの家庭と世帯 世帯の平均サイズは小さくなっている ひとり親家庭の割合が増えている ネパールの母親たち 教育度合いの低さ 女性の高い労働参加率 若過ぎる母親の多さ 3. ネパールにおける幼児教育の質 子…

教育は民主主義をより良いものにできるのか?-教育を機能させるために必要な条件

1. はじめに 2. 教育と投票率に関する既存の議論 3. 政治心理学的視点からの考察と整理 選挙制度 政治情勢 4. まとめ 5. 今後の課題 1. はじめに こんにちは、サルタック・インターンの吉川茉利です。2016年、選挙権年齢が18歳に引き下げられる改正案が成立…

ある教育施策の効果は人によって全然違う?―教育効果の異質性とMixed Methodの話 (超エリート寄宿学校を事例に)

こんにちは、畠山です。師走ですがみなさんお元気ですか?私は試験ウィーク真っただ中なので、あまり元気ではありません苦笑。前回・前々回と、ある政策・介入効果を検証するために、実験的にないしは疑似的にランダムに人々を、それを受けられる群と受けられ…

みんなの学校プロジェクトも含めて自律的学校運営(SBM)のインパクトって実際どうなの?

流行りに乗ってエチオピアのダナキル砂漠に行って来ました。軽装でも行けるだろうとなめてかかったら見事に体調を崩した山田です。 前回はJICAみんなの学校プロジェクトをべた褒めした記事を書きましたが、今回は少し冷静に実際のところのエビデンスはどうな…

オックスフォード大学入学者データとOECDデータに見る「教育と公正・格差」

オックスフォード大学が社会の格差を生み出している!半年ほど前、こんなニュースがイギリスを騒がせました。オックスフォード大学が、これまで謎に包まれていた入学者(学部生)の属性(家庭環境やエスニシティ)に関する年次統計レポートを初めて公表した…

エビデンスに基づく政策のためのランダム化(RCT)のような実験は、言うほどには教育セクターで必要ないかもしれない話

早くも雪の降り始めたミシガンからこんにちは、畠山です。私の前回の記事で、ランダム化比較試験(RCT)を教育セクターで実施することが意外に難しいし、コストをかけてわざわざRCTのような実験をしても明らかにできる事は意外に小さいというお話をしました。R…

学校での“食”をめぐる日英比較~給食に求めるものは?

こんにちは!10月も終わりに近づき、ヨーロッパではサマータイムが終わりました。イギリスでも秋はすっかり深まり(既に冬のようですが)、我が家の子供たちが通う小学校でも収穫祭をテーマにしたイベントがありました。そこで今回は、学校で出される食事、…